グルテンとは
グルテンはグルテニンとグリアジンというたんぱく質が結合したもので、パン生地の骨格となるものです。
強力粉中のたんぱく質の80%程度がグルテニンとグリアジンです。
グルテニンは主に弾性、グリアジンは粘性を示し、この二つが合わさることでパン生地独特の粘弾性を示します。
グルテンは水に溶けない性質を持つので小麦粉に水を加えて練ったものをたっぷりの水で洗うと炭水化物が水に溶け出し、グルテンのみを取り出すことができます。実際に触ってみるとグルテニンの弾力とグリアジンの粘りを体感できるでしょう。
小麦粉に水を加えることでできるグルテンですが、このままではパン生地としては不十分です。
ミキシングによりグルテンを引き延ばしまとめてあげることで、細くしなやかになったグルテン同士が絡みつき薄くやわらかで艶やかな膜構造ができます。この膜構造が薄くしなやかであるほど出来上がりのパンはふっくらでしっとりした食感になります。
グルテンの結合は主にS-S結合と呼ばれています。グルテンの分子内のSH基と呼ばれる部分が酸化されて強い繋がりを生み出します。どの程度この反応を進めるのかによって、生地の強さ(弾力と伸展性のバランス)をコントロールします。この反応の為にアスコルビン酸(ビタミンC)等の酸化剤が添加されることもあります。
他にも硬度の高い水を使う、食塩等でしめる、グルテンに作用する乳化剤を使う等、別の作用機構でグルテンに作用するものもあり、パン生地は複雑な反応を経てグルテンネットワークを作り上げています。
グルテンの含有量により「強力粉」「中力粉」「薄力粉」と分類されます。製パンには「強力粉」「準強力粉」といった、たんぱく量が10%以上のものが最適です。
パン生地の酸化
パン生地が発酵等により酸化されるとSSーSH基交換反応が促進されます。